NYLON JAPAN読みました? 私は読みました。

 NYLON JAPAN(ナイロン ジャパン) 2019年10 月号の平手友梨奈さんインタビューを読みました。

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NYLON JAPAN(ナイロン ジャパン) 2019年 10 月号(Amazonより)



 読むだけで声が聞こえてきそうなインタビューというのは本当に貴重なのですが、今回のインタビューはまさにそれ。
今年5本の指に入る素敵なインタビューだと思います。

 なんてったって時代をときめくトップアイドルを取材するわけですから、多くのインタビュアーは一種の気負いというか、緊張というかを抱えてインタビューしているんだと思います(数少ない経験ですが私もそう)。

 どうしても質問内容が「それ○○で答えたよ~」とか「またそれか~」という感じで似通ってしまうのもある意味準備しまくった結果だと思うのですが、今回のインタビュアー・石井美輪さんは、これまでとは違う角度で的確かつ柔らかい質問を向け、平手さんの回答をうまく引き出しているのが印象的です。

 なぜ今回のインタビューに新鮮さを感じたのか。それは、平手さんの回答を膨らませるスタイルで次の質問に進んでいるからなんですよね。

 もちろんこうした手法を取り入れているインタビュアーさんは数多くいらっしゃるのですが、例えば私の場合、どうしても時間の関係で深掘りできなかったり、事前に考えた「想定質問」を優先してしまったりして、相手の回答が端的になってしまうということが往々にしてあります。それはやっぱり自分の都合で「こんな感じだろう」と回答内容を期待している様子が取材相手に伝わったり、取材相手に緊張がうつってしまっていたりするからなのかなと、改めて反省しました。

 話をNYLONに戻します。今回で言うと1つ目の質問は「~~してもいいですか?」のトーンで優しく始まっているほか、途中で平手さんの回答に「うん」という言葉が出てきます。ここ4年、欅坂46に関係する取材VTRや記事をたくさん見てきましたが、この「うん」という言葉が出てくるコンテンツはほとんどの確率で面白いです。今回は気心が知れたスタッフさんに囲まれていたということもあり、終始リラックスした雰囲気での撮影だったということが記されていましたが、これがめちゃくちゃ良く作用したんだろうなと思いつつ、ナチュラルな「うん」を引き出したプロインタビュアーのすごさを思い知りました(と思っていたら大久保さんの「食とエロス」の担当をされている方でした。それはすごいはずだ……!あれも超おもしろい!)。

 日々色んなジャンルの記事を読んでインタビュー手法の勉強をしまくっている私ですが、いつかこういう“現場の空気が伝わる記事”が書けると良いなとすごく参考になりました。量より質。質のある量を書かないとね。

 

 ここからはしょうもない余談。インタビューの中で「あれ?」と思うことがいくつかありました。「不眠」「ワーカホリック」「好きなものを深堀りするトーク大好き」「メンズしか着ない」「襟付きの服ばかり着る」「ブラックコーヒーが飲めない(8月31日18時45分追記)」。平手さんと私、ひょっとしていくつか共通点があるのでは?(「おい黙れ」と言われると思うけどもうちょっとだけ喋らせて……笑)。

 例えば「占い師/預言者」のくだりですが、私も言われることがあります。職場で使ってるチャットでも最近言われたばかりです。

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職場で占い師呼ばわりされる私(決して褒められているわけではない)

 気にしてない風に見えてめちゃくちゃ人のこと観察しちゃってるんだろうか……そんなつもりないけど(笑)。とはいえ、全然違うところもあります。私は比較的よく怒るのですけれども、平手さんは寛容。平手さんはかわいいけど、私はそうじゃない。当たり前ですが、実際は似ていないところの方が多いのです。でもやっぱりちょっと共通点が見つかるとうれしいよね。

 

 なんとなく私は大人(というか、知った風にする人)が苦手で、会社でも常々「もっと大人になりなさいよ」「社会とは……」と言われるのですが、やっぱり自分の信じる正義があるから、「この人たち(大人)とは違うんだな」って思うことも少なくありません。でもそういう大人の中で暮らしていかないといけないので、「合わせることの大事さ」「相手の都合を考えることの大事さ」みたいなものを20代後半にして今やっと学んできています。大人になってきたんでしょうか。

 とはいえ、酷いことを言ったり、いっぱいフラッシュを炊いて相手の嫌そうな顔の写真を撮ったり、プライベートに踏み込んで記事を書くような大人には絶対なりたくないし、いつまでたっても理解できないけど。

 すごく脱線してしまいましたが、最後にもう少しだけ。今回のインタビューで出てきた言葉で、「これが最後になってもいい」というくらいの気持ちで挑んでいる――というのがありました。これは欅坂46の振り付けを担当するTAKAHIROさんの著書「ゼロは最強」でもTAKAHIROさんの実体験とともに紹介されている言葉です。

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TAKAHIROさんの著書「ゼロは最強」(Amazonより)

  私も小さいころから、尊敬する恩師に「これが最後の演奏になるかもしれないと思って弾きなさい。弾けないなら弓を折りなさい」と言われて育ちましたが、今回のインタビューでこの言葉が出てきたということは、平手さんも尊敬する人をちゃんと見つけられているんだなと安心しました(一体何目線なんだよ……笑)。

 

 NYLON JAPAN(ナイロン ジャパン) 2019年10 月号は絶賛発売中です。
(Kikka)